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バルサンなどの煙を使用して害獣の侵入口をみつけられますか?

アスワットのホームページでも繰り返し記載していますがイタチをはじめとする家の天井裏などに侵入する害獣を完全駆除するための重要なポイントは「侵入口の特定」です。

要するに天井裏など家の中に侵入する害獣がどこから侵入しているのかが判れば、あとは閉じ込めないようにして特定した全ての穴を封鎖することになり、完全防除となります。


へぇー、簡単なことなんだ!と、お思いの方はストップ。その「害獣の侵入口」を特定するのが一番むずかしい。

特に家屋侵入害獣の中(ネズミを除く)で一番カラダが小さいイタチは3cmほどの穴や隙間から侵入してきますので、その侵入口を見つけるのはプロでも時々頭を悩ますことも。

そこで最近よくお客様からお聞きするのが「バルサンのような煙で侵入口を見つける」という方法で、どうも一部の業者さんがイタチなどの害獣の侵入口を見つける方法として天井裏や床下に煙を焚いてその煙が出てきた隙間や穴を封鎖するプロの技。

『本当に煙を天井裏などに焚いて害獣の侵入口を見つけられるのか?』そんな疑問をアスワット害獣防除アドバイザーが解説します。

 


駆除業者が煙を焚くのに使用するのはどんなもの?


害獣駆除業者が天井裏に煙をたくものとしては、

【バルサンなどの煙霧殺虫剤】

代表的なものとしては「バルサン」が有名で、用途としてはお部屋や天井裏に潜む害虫を煙の殺虫剤を隅々にまでゆき渡せることによって駆除する一般家庭用殺虫剤。

【殺虫煙霧機】

殺虫煙霧機は付属のタンクの中に殺虫用油剤(簡単に言えば灯油に殺虫剤を混ぜたもの)を入れ熱を加えることで煙にしてお部屋や天井裏の隅々にまでゆき渡せることによって駆除するプロが使用する業務用殺虫器材。

の2通りです。

まずこの方法で侵入口をさがす以前に、駆除業者がお客様が在宅時に2通りどちらの方法を選択して調査を行おうとしているのなら、この時点でアウト!。 

なぜならば、侵入口調査のためにつかうのなら必ず天井裏か床下で煙を焚くはずです。そうするとその煙はどうしても生活をしているお部屋の中にも入ってきて在宅中のお客様もその殺虫成分を吸ってしまうことに。在宅時に使用しようとしているならすぐにその業者に安全性を説明してもらうことが必要です。

 


実際に煙を天井裏などに焚いて侵入口をさがせるのか?


最近の日本家屋は密閉性が高い構造になってきています。しかしそんな密閉性が高い日本家屋においても私たち人間では見た目だけではわからない隙間や穴はたくさん開いています。そのうえ日本には四季がありその気候変化に対応するため木造住宅に限らずほとんどの建物の屋根裏や床下には空気の流通を確保する換気口が数多く設けられています。

そんな構造の日本家屋の天井裏や床下に煙を焚いたとしても害獣の侵入口からどころか、あらゆる小さな穴やすき間から煙が出ていくことになります。また、風向きによって空気が入るところ、空気が出るところという具合に空気の流れが一定方向に流れたり、その方向が次々に変化するため現実的にこの方法で害獣の侵入口を見つけることがはできません。

害獣駆除業者から「煙を焚いて出たとところから害獣の侵入口を探しあてます!」と言われると「なるほど、そんな方法があるんだ!」とプロフェッショナルのノウハウに感心するお客様が多いのですが、実は業者がこんな技術が私にはありますよ、という偽装アピールに過ぎないということなんです。

 


♠ まとめ ♠


① 使用する煙のほとんどは殺虫成分を含んでいるため在宅時に使用するのはNG。

② 煙を焚いても日本家屋の構造上いろんな隙間から出てくるため害獣の侵入口をさがすことはできない。

③ 「煙を焚いて侵入口を探す」という偽装アピールをする業者は要注意!

家屋侵入する害獣の「駆除」と「防除」の違い。

害獣の見積調査後の説明時にお客様から『駆除』と『防除』ってどう違うの?と時々聞かれることがあります。確かに一般の方々からすれば『駆除』という言葉はよく耳にすしますが『防除』という言葉は馴染みがないですよね。

では、どうやって使い分けるのか? ここでは『駆除』『防除』の違いを解りやすく説明します。


辞典を調べると以下のような記載があります。

  • 駆除 害虫などを追い払ったり、殺したりして除くこと。 「害虫を-する」
  • 防除 ① 災害などを防ぎ除くこと。 「通害を分ち職として之を-すべきの担任に至つては/民約論 徳」② 農作物の病虫害を防ぎ駆除すること。

【出典:三省堂 大辞林 第三版からの引用】


事典だけではなく現在でも一般的には同じ意味合いで使われることが多いのですが、しかし少なくとも、私たちが生業にする屋根裏に侵入す害獣を扱う業界においては「駆除」と「防除」を違う言葉として以下のように使い分けるようになってきています

【害獣業界での駆除とは】
建物の中に侵入する害獣を扱う業界での「駆除」とは、繰り返し天井裏や床下、もしくは人が人が生活する居住スペース(部屋の中)などに侵入してきたり、あるいは、住み着いたりした害獣を捕獲、もしくは薬剤によって殺処分、忌避することで一時的に家屋内から除去(居なく)することを指します。

【害獣業界での駆除とは】
建物の中に侵入する害獣を扱う業界での「防除」とは家屋内など私たちが侵入して欲しくない範囲(スペース)に存在する隙間や穴を封鎖する作業や、その他の方法によって、これから害獣が侵入できないような対策を施すことを指します。


♣まとめ♣
以上のことから害獣が家の中や天井裏に侵入していたり住み着いていたりすろ場合は、捕獲や煙霧などの忌避薬剤を使用して一旦『駆除』を行ったあと、これから二度と家の中に侵入しないよう害獣が入れる穴や隙間を全て塞ぐ施工を『防除』と使い分けています。

 

 

害獣駆除専門業者が教える! 屋根裏に侵入するイタチの捕獲方法【保存版】

屋根裏に侵入するイタチの捕獲方法

 

2月から6月下旬まで右肩上がりに増え続ける害獣の家屋内侵入。彼らが深夜に天井裏をバタバタ走りまわる騒音被害やそれによって睡眠不足などにおちいる精神的被害。持ち込んだ食べ物の腐敗でウジやハエなどの発生や害獣に寄生するノミ、ダニの媒介などの衛生的被害など大切なマイホームに害獣が侵入することで生活している人々や建物に甚大な影響をおよぼすことになります。

家屋内侵入する代表的な害獣はアライグマ・ハクビシン・テン・イタチですが、(ネズミは除く)その中でも西日本にしか生息しておらず、最も侵入被害が多数で難しいとされるのがシベリアイタチ(通称:チョウセンイタチ/ともに以下:イタチと記載)。

この記事ではそのイタチを完全駆除するためには侵入口の封鎖施工をプロにやってもらうのは解っているが予算が合わない、一度自分自身で捕獲してみたい!と、いうような方々のために害獣駆除専門業者・アスワットがイタチ捕獲のノウハウを伝授します。

 


 

捕獲する前にイタチの捕獲許可は必ず取ること

 

 

 

イタチをはじめとするほとんどの害獣は「鳥獣保護管理法」それに基づいて市町村が計画する「鳥獣保護管理事業計画」、「外来生物法」などの法律によって細かく定められていますので、それぞれが定める自治体の法律にしたがって捕獲器を設置する前には必ず捕獲許可をとって下さい。

一般の方であれ、狩猟免許を持つ者であっても必ず捕獲許可は必要で、違反した場合は懲役1年以下又は100万円以下の罰金(第83条)/法人の場合は最高1億円以下の罰金となる場合があります。 

※捕獲許可申請をしても当日交付は難しため申請には余裕をもって伺って下さい。

 


 

捕獲器の選び方

 

イタチを捕獲できない原因の多くは捕獲器と仕掛ける餌の間違いが非常に多く見られます。イタチを捕獲するのにアライグマなどを捕獲するための捕獲器。中型ないしは大型の捕獲器を設置している場合は構造上、餌がとりにくかったり捕獲されてもサイズが違うため構造上の隙間より逃げてしまう場合があります。

イタチの捕獲にはイタチ専用捕獲器(小型動物用)を必ず使用して下さい。

 


 

仕掛ける餌の選び方

 

捕獲器同様、餌の選定も重要です。

アライグマやハクビシンを捕獲するのと同じような感覚でバナナやみかん、キャラメルコーンなどを仕掛けていては捕獲の確率は非常に低くなります。イタチは動物性タンパク質で脂っこいものを好みます。

一番捕獲の確率が高い餌はコンビニなどで安価に販売されている骨なしフライドチキンが最も有効です。

餌をトリガーに引っ掛けるタイプの捕獲器を使用される場合、よく失敗するパターンが引っ掛けるエサの他に呼び餌のために捕獲器の中に餌をバラ撒くのは厳禁。万が一、真っ先にばら撒いた餌を食べた時、トリガーに身体が接触し蓋が不完全に閉まって取り逃がしてしまうことが起きるからです。餌は一つで簡単に捕まってしまいますのでご安心下さい。

 


 

捕獲器は野外に仕掛けない。

 

捕獲器を設置する場所も屋根裏に侵入しているイタチを捕獲するうえで重要なポイントのひとつです。よく家の外部に捕獲器を仕掛ける方がおられますがそれは間違ったやり方です。

理由としては

① 餌の劣化が激しく頻繁に取り換える必要があります

② 侵入していない周囲に生息しているイタチまで捕獲してしまう。(地域のイタチ駆除をボランティアでやっているようなもの)

③ カラスなど他の野生動物の錯誤捕獲や野良猫など捕獲器に入りきらない動物が捕獲器を動かしたり、誤動作させてしまうことが頻繁に起こります。

以上のことからも家屋侵入しているイタチを捕獲する場合はイタチ専用捕獲機を野外に仕掛けないでください。

 


 

正しい捕獲器の設置場所は天井裏。

 

天井裏を走り回っているイタチを効率よく捕獲するためには必ず天井裏に捕獲器を仕掛けるようにして下さい。

2階建ての木造住宅であればユニットバス(浴室)内天井に点検口が設置されていることが多いですし、2階では和室の押し入れの天井に、洋室ではクローゼット内の天井に点検口が設置されている場合が多いので一度探してみてください。

自宅にある全ての点検口を確認したらできるだけイタチが走っている場所に近いところの点検口に捕獲器を設置して下さい。

(※点検口が見当たらない場合は知り合いの工務店さんに点検口を作って頂くのもひとつの方法です。点検口作製費用は1箇所あたり15,000~20,000円が相場だと思います。)

 


 

捕獲器を点検口内に設置する場合の注意点。

 

普段住み慣れている自宅内においても点検口を開けて天井裏をのぞくことなどほとんどないと思います。特に足場は高所、狭くて暗い場所に捕獲器をするので慣れないとケガをする場合もあるので慎重に作業を行うことが必要です。

① 点検口は高い天井にあるので必ずしっかりした脚立使用して安定するように立ててください。

② 服装は帽子、マスク、軍手などの手袋、長袖上着着用してください。

③ 点検口を開けたら先に懐中電灯や投光器など照明器具(出来れば電源コードのない器具)を入れ屋根裏周囲が明るく見渡せるようにしましょう。

④ 天井裏は断熱材や配線、配管などがごちゃごちゃありますので出来るだけそのようなものを避けて平らな場所に設置して下さい。

⑤ 設置する場所が決まったら捕獲時に天井裏を汚さないよう捕獲器を設置する前に厚手の段ボールを敷いてから捕獲器を置いてください。(新聞紙、ビニールの敷物など薄いものは捕獲時、捕獲器の中へイタチが引き込みますのでやめて下さい。)

 


 

捕獲の有無の確認は必ず毎日行って下さい。

 

捕獲器を設置する場合、必ず毎日の見回り義務が発生します。

天井裏に設置した場合、イタチが捕獲されれば捕獲器内でイタチが暴れるので毎日お住まいになっている限り気づかないということはほとんど無いとは思いますが、たまにおとなしいイタチもいて気づかない場合もあり、放っておくと2~3日で死んでしまい法律違反となりますので、必ず毎日、捕まっていないかどうか確認して下さい。

(一晩でも外泊される場合はいったん捕獲器の設置を中止して帰宅後、改めて設置しなおして下さい。)

 


 

イタチが捕獲された後の処理の仕方。

 

イタチが捕獲された場合は基本的に捕獲許可時に指示された方法で適切に処理して下さい。

ほとんどの自治体が殺処分処理(炭酸ガスなどを用いての安楽死)もしくは放獣処理(広い河原などに放つ)のどちらかを選ぶこととなりますが、一般の方に簡単できる方法の放獣処理をお勧めします。

天井裏から捕獲器を取り出す場合、イタチに噛まれないよう「捕獲器を点検口内に設置する場合の注意点・②」で記載した服装を着用したうえで手袋は軍手の上に溶接作業用などの分厚い皮手袋を着用して取り出して下さい。

許可時に定められた放獣場所へイタチを移動する場合、車の車内やトランクなどに入れるとイタチが放つ強烈なニオイで当面の間、車に乗れなくなるため、キャリーや荷台のある車なら捕獲器が入るくらいの段ボール箱の中に捕獲器を入れた後、そこに積んで移動、そのような車がない場合は、のバイクや自転車の荷台にその段ボール箱を積んで移動して下さい。

 


 

放獣時の注意点。

 

放獣する場合、人や車の往来が多い道路などから近い場所での放獣は避けて下さい。

放獣したイタチが走って逃げる際、その道路に入ったことによる交通事故や人への咬傷事故を引き起こすこともありますので、放獣する場合は人や車の往来が少ない目立たない場所を選んで放獣して下さい。

放獣時も必ず手を噛まれないよう皮手袋を使用することをお勧めします。

放獣するところを他の人が見ていた場合、稀に不審な行動などに思われて何をしていたのか聞かれたり、警察などに通報されることもあるので必ず捕獲許可書を携帯して法律に基づいて適切に処理していること説明できるようにしておくことも大切です。

 


 

【まとめ】天井裏に侵入して走り回っているイタチを捕獲するポイントをまとめると次の通りです 

 

① 捕獲する場合は必ず捕獲許可を取って法律順守。

② イタチ専用捕獲器に餌はフライドチキンを使用し天井裏に仕掛けること。

③ 設置や捕獲時は慣れない作業なのでケガや事故が起こらないよ事前準備を怠らない。

④ 放獣時は捕獲許可証を必ず携帯し人や車が通らない広い場所で行う。

 

以上の事を必ず守ったうえで安全に捕獲作業を一度行ってみてください。

2月から始まるイタチをはじめとする害獣の交尾の時期について。


 2月に入って梅の開花情報がちらほら聞かれるようになりましたが毎年、関西では梅の開花とともに始まるのがイタチをはじめとする害獣達の交尾。今年、アスワットでは暖冬のせいなのか1月下旬に京都市伏見区のお客様よりイタチの交尾行動情報が寄せられました。

 では害獣の交尾行動はいつどのように行われるのか。関西で家屋内侵入の代表であるシベリアイタチ(通称:チョウセンイタチ/以下:イタチ)を例にご紹介いたします。

 


 

イタチの交尾の時期はいつ?


 シベリアイタチの年間生活史(アスワット調べ)の図に記載している通り基本的に交尾が本格化するのは毎年3月~5月の間ですが、その年の気候などによって違ってくるため記載時期前後1ヶ月を含んだ期間、要するに2月~6月までの期間を交尾時期と考えた方が良いでしょう。



もそもイタチのオスとメスはどのようにして出会うのか?


 イタチは一夫多妻制でオス、メスそれぞれ単独で行動しています。オスは半径約1キロ圏内(メスはオス行動圏の半分以下)にフィーディングポイント(立ち寄り所)を20ヶ所を持ち転々と移動し訪れますがその際、フィーディングポイントに溜め糞(マーキング)をしていきます。彼らは主に匂いをコミニケションツールとして用いるため、ため糞(マーキング)の匂いに興味を持ち特に交尾時期になるとお互いに活動的に転々と立ち回り、オスとメスが出会うと交尾行動が始まります。

 



交尾はどのようにしておこなうか?


 イタチの交尾行動は特徴的でオスがメスの首筋をかなり強く噛んで押さえつけながら長時間(平均で約90分ほど)行われますので、天井裏で交尾行動が行われた場合は、2頭が「キーキー」と鳴きながら長時間追っかけあいをして暴れているように聞こえます。

 交尾を行おうとオスイタチがメスイタチを追っかけている貴重な動画がありますのでご覧ください。

 

 


 

まとめ

 

  1. イタチの交尾期は毎年2月~6月の約5ヶ月間。
  2. イタチの交尾期にオス、メスが複数個所あるマーキングポイントを訪れ出会う。
  3. オスイタチがメスイタチの首筋を噛んで長時間暴れまわって行われる。

 

 以上のことから、これから春にかけて屋根裏で頻繁にイタチが侵入しだし、急に2頭が「キーキー」と鳴きながら走りまわったらイタチの交尾が屋根裏で行われてている可能性が高くそのあと出産と繋がりますので早めの対策が必要となります。

害獣ってどんな動物?

アスワットのHPブログでは対談の他に、今年から害獣駆除に関するいろんな知識をご紹介させていただきます。
その第一弾! 『害獣ってどんな動物?』 最近『害獣』という言葉をニュースやインターネットの情報などで聞いたり目にしたりします。でも害獣ってどんな動物を指すのかな?そんな疑問にわかり易くお答えしますね。

害獣というキーワードでweb検索すると、ウィキペディアには『人間活動に害をもたらす哺乳類に属する動物一般をさす言葉である。人間の多い地域では、家畜などの飼育動物以外はほとんどがこれに含まれる可能性がある。』と書いてあります。

簡単にいうと人の生活に迷惑をかける哺乳類を害獣と人間が決めました、という事ですね。(呼ばれる動物からすればいい迷惑ですけど・・・)

では、具体的に日本で害獣と呼ばれる動物を具体的に上げて見ることにしましょう。

日本で害獣と呼ばれる動物は大きく分けて4つの部類に分けられます。

①農林水産害獣(農作物や森林、水産物を食べ荒らす)
  主な例:イノシシ・シカ・サル・ヌートリアなど

②対人危険害獣(人の身体に危害を加える)
  主な例:ヒグマ・ツキワノグマなど

③家屋侵入害獣(家屋の天井裏などに侵入し、騒音・糞尿など精神的、衛生的、被害をもたらす)
  主な例:ネズミ・シベリアイタチ・テン・コウモリなど

④農林水産及び家屋侵入害獣(農作物被害に加えるとともに、家屋にも侵入する)
  主な例:アライグマ・ハクビシンなど

 

①農林水産害獣と④農林水産及び家屋侵入害獣については、平成27年度の農作物被害金額は、
176億円(全体の70%がシカ、イノシシ、サル)にものぼるため、その対策に対して主に国が関わり、民間の害獣駆除業者が携わることはあまりありません。

 

③家屋侵入害獣と④農林水産及び家屋侵入害獣は、個人住居の敷地内被害が主ですので基本的に国や自治体がかかわることが出来ないため、私たち害獣駆除業者へ駆除依頼される場合が多いです。

 

【まとめ】

① 害獣は人の生活に迷惑をかける哺乳類の総称
② 農作物や水産物などや人に危害をあたえる害獣は国や自治体に相談して対策
③ 家屋内に侵入する害獣は民家の害獣駆除業者に相談、対策

※但し、②は民間業者、③は自治体など、一部、相談や対策を受付けている場合もあります。

 

IUCNレッドデータブックとシベリアイタチ

福永:IUCNレッドデータブックでは中国での乱獲危惧されている、ロシアの状況はよくわかっていない、チベットや東南アジアは保全の対象である、総合的に見るとシベリアイタチの保全はまあうまくいっているのではないか。といったような内容が書いてありますが、この内容についてどう思われます?


渡辺:私はその内容については、『異議有り。』と思います。保全地域でその効果が上がっていると言ったってそれは分布の辺境ですから。


福永:どれだけこの資料に信ぴょう性があるのかですけどね。 


渡辺:うん、だけど一応、現在資料としては出ているんだから、これを基に話を進めないと。それと中国など大量捕獲などの影響から大陸方面のシベリアイタチ生息状況はやばいという地元の研究者の情報もある。

 
福永:そういう事を踏まえると、どうして西日本には限られますがシベリアイタチがたくさんいるってことになるんでしょうね? 


渡辺:だからさぁ、ともかくシベリアイタチは都市に適応できたという事でしょう。もっとつっこむと日本の家屋に入りやすい。しかも断熱材がある。韓国やロシアなどの家屋は構造上、入り難い。韓国のオンドルなんかは密閉性が大事だから。ロシアはペチカだから断熱材が無い。要するに巣材が無い。その他の国の家屋構造もそんな感じじゃあないかな?

 
福永:なるほど。。。そう考えると日本の家屋構造はシベリアイタチにとって適応できる環境だという事ですね。


渡辺:そう、偶然ね。偶然って世の中結構あるんで。

 
福永:まあ、あくまでこれは想像なんで一度韓国やロシアの住居事情も調べる必要がありますね。それによってより見えて来るものあるんじゃあないですか。それと案外それらの地域のシベリアイタチは屋根裏侵入被害も少ないんじゃないですかね。


渡辺:日本の気候は高温多湿、だから家もできるだけ空気の流通も考えて隙間を作る構造ではないだろうか。

 

 

 
福永:と、いうよりも『断熱材』『天井裏』の存在が大きいのではないでしょうか。日本の住宅には二階建てなら二階に屋根裏、一階と二階の間にも天井裏という空間があります。外壁と内壁の間にも空間がある。ところが私のロシアや韓国の住宅のイメージはそういった空間が無いイメージ。あくまでも私の考えですけど。だから日本の部屋の中は電気の配線とかを天井裏や壁の中の空間に通しているのでスッキリしていますが、外国の部屋は電気の配線やガス、水道などの配管を壁の中に通さず露出している。要するに天井裏や壁の中に空間があまりなく、動物が外部から侵入するのにその空間を使えない構造ではないでしょうか?


渡辺:うん、私もキッチリと見たことはないんだけれど、オンドルは煮焚きした温風を家の隙間に送って室内を暖めるわけ。という事はその温風が外部や部屋に漏れてはダメ。当然、気密性が高くなけりゃあいけないってわけ。それとそもそも日本の住宅のように動物にとって好都合の広い天井裏がロシアや韓国などの住宅に無いかもしれない。要するに日本とそれらの国とは気象条件が違うんだよ。

 

福永:そうですね。

 


渡辺:その住宅事情などが日本に移入して来たシベリアイタチにたまたま合ってた。すごい偶然の産物で。 ( 笑 )  ともかく巣材を外から運びこむのって結構大変ですよ。それも人間の住んでいるところに後から運びこむのは。

 
福永:ということは、かなり偶然と偶然が重なった中でのシベリアイタチ大量繁殖という、世界の中でもまれな事例でもありますね。

 
渡辺:そうです。

 
福永:でもこのままシベリアイタチの繁殖を放置していても良いわけではありませんよね。


渡辺:それはまずい。だからアスワットの考え方と方法の推進。殺さずに繁殖場所を少なくして数を減らす防除施工。要するに家の中で子育て出来ないよう天井裏から追い出して再度入れない様にする。それによって数を減らし人間とシベリアイタチが穏やかに暮らす。駆除するってことは基本的にあまり良くないと思います。

 

 
福永:少し話が先に進みますが、ではなぜこれだけ日本の都市に適応したシベリアイタチが山にはいらないのでしょう? 


渡辺:福永さんはどう思います?


福永:海外の分布状況はよくわかりませんが、シベリアイタチは人間と寄り添って生きてきた動物ではないかと思うんですよ。


渡辺:案外ね。ロシアなんかでも人のいないところではあまり分布していない可能性はあります。

 
福永:日本はかなり密に家が集まっていて、その中で彼らが適応できる住宅構造条件があれば当然、繁殖するようになる。ところが山間部になると住宅もまばらになり条件も悪くなるため繁殖できない。そこじゃあないですか? 


渡辺:それと、これは佐々木さん(筑紫女学園大学教授:佐々木浩氏)の意見だけれども、シベリアイタチはチマチマといろんな物を食べるというのが苦手な動物じゃあないか?ということ。糞を分析すると昆虫なんかも出てくるんだけれども、量からいえばクマネズミが圧倒的に多い。ところが山の中に多くクマネズミなんかいないじゃない。

 
福永:なるほど。クマネズミも都市に適応して民家やビルなどに住み着いて生活している。それを主食としているシベリアイタチも同じく人間の生活に密着し、共にい移動しながら生活圏を共有しているということですね。

 
渡辺:そう。だから多くの人たちが山に生活圏を移す、言い方を変えれば山が人工的に荒れるとシベリアイタチも山に入る可能性はあるのではないかと思うんですが。それと話が少しそれるけど、ロシアや韓国、中国など今、シベリアイタチが少なくなっているというよりも、実は昔からそんなに密にいなかった可能性もある。あくまでも僕の憶測だけど。だって確証あるきっちりとしたデーターがないんだから。

 
福永:うん、私もそう思います。 


渡辺:どちらにしても、大まかにいえば外国では絶滅危惧種として危ぶまれているシベリアイタチが西日本では多く生息していることは、世界的にみても稀な現象であり、その理由は、日本独特の建築構造及び生活様式などがシベリアイタチが繁殖するうえで好都合であったのではないかという可能性が高いといえるのではないかということいです。

 
福永:全く同感です。今後それを証明していく調査を私たちで早急にしていく必要がありますね。本日は忙しい中、ありがとうございました。

イタチの足跡ってどんな形?

家屋侵入被害を止める害獣駆除で最も重要なのが、侵入している害獣の特定。
侵入している動物が何かわからなければ駆除や防除の方法が決められません!

では、何に基づいて特定するかと言えば、彼らが天井裏や侵入経路などに残していった形跡です。

今回はいろんな害獣の中からイタチ(シベリアイタチ)の足跡と形跡をご紹介します♪

①シベリアイタチの足跡(足跡残留試薬を使用)

②シベリアイタチの足跡(足跡残留試薬を使用)

イタチは前後足とも五本指ですが、歩き方によっては第1指(1番内側の指)が残らない場合があります。

前足、後足の判定は単体の足跡においては非常に難しいですが、基本的に蹠行性(しょこうせい)の動物は前足より後足の方がキッチリかかとまで着くことが少ないため指と爪の足跡の場合は後足の可能性が高いです。
(場所と歩き方によっても異なります)

次にシベリアイタチの足跡の形跡による侵入経路追跡のしかたはご覧の通りです!

これが全て特定できればイタチの完全駆除に一歩近づきますよ。ぜひ参考にして下さいね♪

 

シベリアイタチはなぜ東日本にはいないのか?

今回から始まりましたアスワット顧問・渡辺茂樹とアスワット代表・福永健司の対談。対談形式で害獣対策から動物の生態までざっくばらんに討論していきたいと思っています。いつまで続くかわかりませんが、お付き合いの程、よろしくお願い致します。

福永:初回は「シベリアイタチはなぜ東日本にいないのか?」ということで、現在シベリアイタチの棲息分布の東限は長野県の佐久地方と言われてますが。なぜ西日本には爆発的に繁殖し、東日本にはいないのでしょう?

渡辺:福永さんはどう思います?

福永:木曽川、天竜川、大井川など大きな河川があり、シベリアイタチが東に移動していく上でそれが障害になっているから、というのが一般的な原因といわれてますね。

渡辺:それはあんまり一般的ではない、誰も言っていないよ。

福永:えっ?、いろんな文献に書いてありますが?

渡辺:いろんな文献って?、誰が言ってる? 具体的に。

福永:それは調べたことはないです。。。。

渡辺:そう、だからいまいち正確ではないと思うけど。意外と言われてないと思う。

福永:そうですね。僕もその説に少し疑問です。その説が正しければ、そんな河川よりも、もっと大きい海峡に阻まれている淡路島になぜたくさんのシベリアイタチが生息しているのかって言う事になります。

渡辺:これは全くの空想なんだけど、動物が非常に移入しづらい地域でもたまたま、100年に一度くらいの確率の出来事で移入してしまったってこともあるんじゃあないかな? 対馬のカワウソのように。(最近、話題になった対馬のユーラシアカワウソの事)

福永:と、いうことは偶然? 淡路島や四国のシベリアイタチの移入は偶然で、東日本にはそれが今まで偶然にも無かったと。

渡辺:あくまでも可能性ですけどね。

福永:では、陸続きよりも島間の方がシベリアイタチに関して言えば移入の確率は高い・・・なんでだろう?

渡辺:船があるから。橋を渡るよりも船で渡る方がむしろイタチなどの動物にとって渡り易い。というか自分で渡るのではなく安全に船で運ばれちゃう。

福永:確かに、イタチが紛れ込んだフェリーや貨物船が動き出してそのまま運ばれてしまう事はあるでしょうね。船内には隠れるところはたくさんあるし、それは特別なことではない。

渡辺:陸続きで橋を渡る方が渡り易いというのはむしろ違うとおもう。ロード・キル(車にひかれる)の可能性も高いし。

福永:なるほど。という事は岐阜、静岡の県境近辺の大きな河川にかかる橋の影響で東日本に移入しないということですか?

渡辺:それだけが原因という事ではありませんが。

福永:そうですね。

渡辺:だけど本当は静岡県の東部にもシベリアイタチがもう既に移入している可能性もある。ちゃんと調査されていないから。もしかしたら、河川よりも箱根の峠が原因の可能性だって絶対ないことはない。常識では箱根峠なんてありえないと思うけど、たかが人間の常識で判断するのはよくないと思う。もっと、事実に対して謙虚でなければ。こうであるはずだって事は最初からあっては駄目。そのために事実をちゃんと調べなくてはいけません。そもそも、現在本当に関東にシベリアイタチがいるか、いないかもわかんない。

福永:ほんとですね。

渡辺:キッチリと調査してないのが現実で、そこが問題なんです。長野県の佐久地方にシベリアイタチが移入したとわかったのは、福江さん(現:NPO法人生物多様性研究所 あーすわーむ理事)がミンクの調査をした過程で判ったこと。それがなければ現在なお、知られてなかったかもしれない。もしかしたらもう関東のにもシベリアイタチが移入しているってことも考えられます。

福永:但し、私たち駆除業者間の情報では、関東にシベリアイタチの家屋侵入被害の情報があるかといえば、私の知る範囲ではありませんので関東にはまだ移入していないのではないですかね。

渡辺:全く同感なのですが、だからといって物事は100%はないわけで、やっぱりちゃんと調査しなければ駄目です。

福永:では、どうやって調査すればいいでょうか?

渡辺:やはり、東日本の未移入といわれる地域のイタチと思われる糞のDNA検査。すべてが二ホンイタチの糞かもしれませんが、先ずその調査をしていないというのが問題なんです。昔はできなかったけれど今は技術的にできるんだから。

福永:それは予算の問題もありますよね。

渡辺:もちろん。最近は国が出す研究費は減額傾向、支援するスポンサーも少ないからね。

福永:お金の問題は私たちでは解決できませんからね。

渡辺:シベリアイタチに関していえば、まず行政がちゃんと現実を見て対応すべきです。今、行政のシベリアイタチに対する対応は見て見ぬふりをしていると思いませんか?

福永:それはシベリアイタチの家屋侵入被害は年々増加しているけれど、彼らによる農業被害がほぼないから有害鳥獣として扱いができない問題が大きいのでは?

渡辺:それは確かにあります。しかし、近畿におけるシベリアイタチの家屋侵入被害が増加し、多数の市民が騒音、糞尿被害で困っている現実もある。東日本の移入の件も含めて、国や自治体が実態をキッチリ把握できていないのが最大の問題。現実問題として、先ずは、実態調査を行う働きかけから始めなければいけないということでしょうね。

福永:全く同感です。判らないことだらけをひとつづつ消していくことから始めましょう。今日は忙しい中、ありがとうございました。

渡辺:ありがとうございました。

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